
校訓「怒るな働け」は実学思想を基礎とし、個人的処世術にとどまらず、横井小楠先生の説かれた「堯舜孔子の道を明らかにし、西洋器械の術を尽す、何ぞ富国に止まらん、強兵に止まらん、大義を四海(世界)に布くのみ」という抱負から発し、「怒るな」は人間の和、さらには平和を、「働け」は人間社会に欠くことのできない財の生産を意味する世界観、人生観で、世界平和を窮極の目的とした一大金言であって、本学園の伝統をもっとも端的に表現した深遠の哲理であるといえよう。
創立者の希求したものは、この校訓を基本精神とした婦人の経済的自立能力の養成および社会的地位の向上であった。すなわち家庭婦人は一家の経営担当者であり、豊かな家庭を築くには高度な経済知識は欠かせないものであるとの信念から、豊かな教養と高い経済知識を備えて実社会に役立つ女性の指導者を養成し、社会の発展に貢献しようとした。
これが本学創立の意図となっている。