高山短期大学
わが国の教育を顧みるに、あまりにも知育偏重であって、その結果学業成績や偏差値による人間のランク付けや選別が学校でも社会でも当然のことのように行われてきた。その弊害を受けて、わが国の大学教育は往々にして学術の教授研究に偏って、本来の人間教育を疎かにし、それ故実学を軽視する風潮が強く、そのため学問のための学問、研究のための研究という独善に陥りがちであった。本学はこれらの風潮を排し、大地に根をおろした新しい高等教育のあり方を既成の古い大学を反面教師として、あえて短期大学という学制の場で試さんとして設立されたものである。ここで本学と四大との違いを挙げれば、本学は学術研究よりも「知」の継承・伝達、「知」の発展に重点を置き、「研究機能」から「教育機能」へと、つまり実社会に直接はっきりと貢献できる教育機関へとフレキシブルに展開していることにある。従って、本学は実学の大学である。実学とは空理、空論ではない実践、実理の学問であり、わかり易く言えば合理性と実証性に裏付けられ、社会生活に役立つ有用な学問を言うのである。さらに短期大学と専門学校の違いを比べて、短期大学の独自性や存在理由を認識してもらい、専門学校の目的は「専門的な技能」を習得することであって、それは就職のためである。従って専門学校は職業学校という性格を持つ。短期大学は、実務能力の養成を重視し、それを教育目標の一つにしているが、さらに人間として生きるために不可欠な教養を身につけることを目的としている。本学は人格の形成なくして社会の要望する職業人は育たないという産学協同の新年のもとに、産業界に優秀な人材を送り出すべく、建学精神の基本に則り、次に掲げる教育方針のもとに、努力する所存である。