池坊短期大学

室町時代から500年余にわたって、池坊にはじまり、京都を中心に育ったわが国特有のいけばな文化は、その間、いろいろな変遷を遂げてきましたが、この池坊学園の創設によって全く新しい時代の夜明けを迎えたのでした。
とりわけ、明治以来、ややもすれば“おけいこごと”視されてきたいけばなを、“学と芸”の原点から見直し、そのエスプリを教学のバックボーンにした新しい教養人、新しい職業人を育成するための学校づくりは、日本の教育界にもっとも欠けていた分野におけるユニークな“人づくり”でもありました。
しかも、それは、日本人の“心のふるさと”といわれる京都で、また保守と革新の同居する街といわれる京都で、さらに“いけばなが生まれ育った街”京都で、芽を出し、花を咲かせ、実を結ばせようという遠大なビジョンでした。
このビジョンのもとに、池坊学園を創設し、半世紀近くの間...